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【北川フラム】奥能登美術考⑤ 9月27日

レポート 2017.09.27
【北川フラム】奥能登美術考⑤ 9月27日

A 黄色いカレーライス
そうめんかぼちゃの酢の物
みかんゼリー

B かぼちゃとちくわの天ぷら -能登塩がけ-
 五目煮豆
豚汁

C 海藻ラーメン
ガスエビのから揚げ
ひじきのナムル

何のことか分かりますか?
珠洲市の小中学校の給食で出されたメニューなのです。Aは河口龍夫の「小さい忘れもの美術館」、Bは塩田千春の「時を運ぶ船」。Cはひびのこづえの「スズズカ」。それぞれ黄色の作品、揚げ浜式製塩、珠洲の海中という特色を使ったものです。こんなことが観客に見えていないところで生まれているのが芸術祭なのですね。給食の献立を考えている人の喜びが目に見えるようです。

昨日もツアーのガイドでした。最後のスメル館(約40年前に閉館)ではそこのお嬢さんが説明をしていくれていたし(休みごとに帰ってきているらしい)。アーチストの南条嘉毅さんが映写室に入ってごそごそとメンテナンスと上映の技師をしていたうえに、サポーターの他に地元の方が来ていて順番待ちの整理をしていました。

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何しろいろいろなことが、あちらこちらで起きているのです。僕はスピードツアーですが、ゆっくり回れたらどれだけ楽しいだろうな、と思います。回る側からすればひとつの地域の凹凸をふくめて奥行きと、永い間の人の営為が見えてくるだけでなく、迎える側では、それこそいろいろな国の人から、世界の断面が見えてきます。

ひびのさんのサイトではホワイトアスパラガスの公演でしたが、車の誘導をしている地元飯塚の年配者たちの何とイキイキしていることか。彼らにとってこの土地の案内は自家薬籠中のものなのです。地域は確かに過疎高齢化している。しかし大切なのはそこでお年寄りたちは自分の特技を発揮できないことにせっしやくわんしているのです。それら特技を私たちはことほぎたい。そして彼は世界と同時的に生きていたいのです。各地域芸術祭がそういうものであった時に、少しはまっとうな楽しさに出会っていけるのではないか、と思うのです。(スズズカ公演は9.30、10.1引間文佳、10.7、10.8森山開次です)

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昨日は快晴、シャク崎の密度ある植物の混成林のなか、ヤブツバキからの木漏れ日の美しさに堪能しました。

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お願い!来客数は増えているのに対し、サポーターが足りていません。ぜひ声を掛けあって、参加お願いします。

文:総合ディレクター北川フラム
写真:中乃波木 (一部スタッフ撮影)

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