寒々とした荒野の風景、畑に存在するプリミティブな案山子、風吹きすさぶ海辺に取り残された漂着物…
時代の流れに押し流され消え往く存在たちが、ゆるやかな日常生活のなか、際立って目に飛び込んでくることがある。物質的に満ち足りた現代の幸福と激しい陰影のコントラストを持って存在するそのような「異物」が放つ、哀しみと
怒りの魂に呼応することが、作品制作に繋がっている。
西日を受け、浮遊感・孤独感・喪失感を引きずって歩く背中を見せながら自分自身が「異物」になり、人生の背面を観る者に追わせるような表現を大切にしている。
1981 年、愛知県生まれ。2011 年、東京藝術大学美術研究科油画専攻技法材料研究室修士課程修了。東京在住。
2013 年 瀬戸内国際芸術祭(香川県小豆島)
2014 年 第17 回岡本太郎現代芸術賞展(川崎市岡本太郎美術館)
2014 年 表現のチカラ 東京藝大セレクション(高松城跡 披雲閣)
2015 年 中之条ビエンナーレ(群馬県中之条)
2016 年 Who By Art vol.5 (西武渋谷 美術画廊)
小山真徳MASAYOSHI KOYAMA
日本
展示作品
Photo:Nohagi Naka
作品No.9最涯の漂着神
「鯨一頭捕れれば七浦潤し」と言われるように、浜に漂着した鯨は漁村に幸をもたらした。また、鯨以外にも鯱、大魚、漂流物、破船などは、彼方の常世かの国からもたらされた吉祥の存在として「エビス」と呼ばれた。漂着神を祀る神社の多い奥能登の、深遠な、遠大な精神に迫る作品だ。
展示エリア | 三崎地区 粟津の海岸 |
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