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【北川フラム】奥能登美術考⑩ 10月20日

レポート 2017.10.20
【北川フラム】奥能登美術考⑩ 10月20日

先日、上海フェスティバルのオープニングの講演に出席の後、二日間、中国浙江省の松陽県を巡ってきました。ここは中国一のお茶の名所ですが、5年前から越後妻有の「大地の芸術祭」を参考に、茶畑・過疎の山村で建築・美術による地域づくりをしているところで、かねてから誘いをうけていたのです。
1020kitagawa_photo_1.jpg1020kitagawa_photo_2.jpg超過疎になった集落を特色のある、デザイン的にも斬新な民宿にして、雲の上の風景を楽しむアイデアには驚きました。ここでは竹林すら伝統芸能の良い舞台になっているのです。古くからの名産品である黒糖の記念館では、ここでも高いレベルのパペットと伝統楽器の楽団からなるパフォーマンスが行われていて感銘を受けましたし、茶園の中の竹でできた東屋がとても良かった。これらの施設は若い女性建築家による設計で、地元の自然素材、石や竹や土を上手く使っていて参考になりました。狭い露地をそのまま活かし、小さなホテルを作り、演芸場を設えてありましたが、そこには小さな昔ながらの店が夜でも元気に動いていました。
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私はそこで珠洲のことを考えます。本州で最も人口が少ない市ではありますが、自然・歴史・集落がまだ良いかたちで残っています。民家を使ったレストランや民宿も美味いし、風情があります。芸術祭には多くの人々が来られ、岬巡りや廃線になった能登線跡を楽しんでくれました。アーチストも頑張ったし、地域の人も総出で関わり、芸術祭を廻ってくれました。だからこそ今からすぐ、何を残すか、大切にするかを考えていかねばと思うのです。私たちはとかく大きな政治潮流、社会的流行に影響されやすい。不易流行です。奥能登国際芸術祭、第一回では地域づくりのキッカケが出来ました。

 これからが大切です。いよいよあと2日、最後に再び珠洲にいらして下さい。

21日には<さいはての『キャバレー準備中』>で「ラスボスナイト」
22日は旧上黒丸小学校で<鯨談義>があります。
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1020kitagawa_5_No.29 真壁陸二「青い舟小屋」_2017_10_04 (5).JPG

No.14 トビアス・レーベルガー「Something Else is Possible」_2017_10_07 (9).JPG
No.14 トビアス・レーベルガー「Something Else is Possible」_2017_10_07 (15).JPG
文・北川フラム

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